
最近よく目にするSDGsロゴですが、実は商用利用するには国連に英語で許可申請をする必要があるのです。
また、送ったとしても返信も来なかったりする…という噂もあったりで、私もなかなか腰が重く申請ができていなかったのですが、この度遂に取得をしたので、その流れをご紹介いたします。
申請自体はポイントを抑えておけば、そこまで申請文を書くのは難しくないと思います。
プロの方に見ていただいたアドバイスも備忘録がわりに書いておりますので、ぜひ申請をお考えの方は参考にして頂ければ嬉しいです。
そもそもオリジナルロゴを使う必要はあるのか?
確かに国連にわざわざ申請をしなくても、オリジナルのSDGsデザインを作成している団体は多いです。
ネットで、「SDGs オリジナル ロゴ」と検索すると、たくさんのオリジナルデザインを目にすることができます。

なので、事業の方向性と合うオリジナルSDGsロゴがあれば、そちらを使ってしまうのでも良いかもしれませんね!
私が行った申請の手順
申請の際に参考にした記事はこちらです。
まずは、以下の2点からはじめました。
- 日本語で申請文を作り、翻訳する
- SDGsロゴ入りのデザインを作る
1.日本語でのSDGs許可申請文作り
申請に必要な要件は以下の通りなので、
- アイコンやロゴの使用方法や用途を簡潔に示す
- 用途がSDGsの目的に合致していることを説明する
- サステナブルなビジネスの実践と素材について示す
- 商品とSDGsの整合性を具体的に明記する
こんな感じで文章を作ってみました!
もちろん超優秀な翻訳サイト、DeepL大活躍で!
日本語の原文さえ作ってしまったら、あとは8割方DeepL先生が作成してくれました。すごい!
日本語での申請文(原案)
使用用途
・サービス紹介資料
・サービス公式サイト(mimiyomi.audio)
・名刺
・mimiyomi.audio に紐づいたメールの署名
ロゴを配置したそれぞれのデザインサンプルを添付いたしました。
ご確認いただけますようお願いいたします。
なお、ロゴを使った商品制作は行いません。
展開するビジネス
・視覚障害者ナレーターの育成 / 業務提携
・視覚障害者コーチの派遣 / 人材紹介
商品とSGDsの整合性
弊社サービスで達成したい目標は
- 1. 貧困をなくす
- 8. 働きがいも経済成長も
- 10. 人や国の不平等を無くそう
の3つです。
日本にいる視覚障害者は約30万人。その約半数である47%が月収10万円以下の収入に限られています。
(平成27年に行われた厚生労働省の調査によると、「日本国内の相対的貧困を決めるラインは122万円」との調査結果が出ています。
参考:https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/seigo_g_171005.pdf
https://gooddo.jp/magazine/poverty/asia_poverty/japan_poverty/4455/)
彼らの労働機会と雇用機会創出を創出するのが当サービスです。
サービス①
「見えない」ことを優位性とした、声の表現力を生かしたナレーションサービスの展開
視覚障害者独自の聴覚の鋭さや声へのこだわりを活かすナレーターを育成。
企業と提携し、深みのある音声コンテンツを制作します。
(例:オーディオブック制作やビジネス映像のナレーション作成等)
サービス②
「聞く力」を生かしたコーチングサービス
障害者雇用の悩みトップは適した業務が見つけられない点です。
そこで、当サービスでは、実力のある本業に貢献できる「職種」と「人材」をセットで提案。
コーチングの認定資格を持つ視覚障害者コーチを企業へ紹介し、社員のモチベーション向上につながるリモートコーチングセッションを提供します。
これを翻訳していきました!
実際に送ったSDGs許可申請用の英文
【Our Business】
Mimiyomi creates work/employment opportunities for visually impaired in 2 ways;
- Training of visually impaired narrators
We train blind narrators who have unique auditory acuity of their attention to voice.
Our narrators who have depths to their voice can produce audio contents for clients.
(e.g., production of audiobooks, narration for business videos, etc.) - Dispatch and introduction of visually impaired coaches
We introduce visually impaired coaches who are certified in coaching to clients and provide remote coaching sessions to motivate their employees.
【Consistency with our business and SDGs】
SDGs that we aim to achieve with our business are below 3;
1. NO POVERTY
8. DECENT WORK AND ECONOMIC GROWTH
10. REDUCED INEQUALITIES
There are about 300,000 visually impaired people in Japan. About half of
them, 47%, are limited to a monthly income of less than 100,000 yen.
(According to a survey conducted by the Japanese Ministry of Health, Labor and
Welfare in 2015, the line that determines relative poverty in Japan is 101,000yen per month.)
Reference: https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/seigo_g_171005.pdf
https://gooddo.jp/magazine/poverty/asia_poverty/japan_poverty/4455/
Please let me know if you have any questions.
We hope to hear from you soon.
Best Regards,
2.SDGsロゴ入りのデザインを作る
特にSDGs関連の製品は作る予定がなく、メールの署名やサイトに載せるためのデザインを作って画像ファイルを添付しました。
いざ国連へSDGs許可申請メールを送信!
タイトルを公式ガイドに基づいて「SDG LOGO/ICON REQUEST」とし、2021年5月17日に送りました。
返事が来ないこともある、なんて記事も読んだのですが、実際には約3週間後の6月8日に許可の連絡が来ました。
実際のメール文章はこちら
Thank you for your inquiry and apologies for the delayed response.
Please be advised that the SDG logo and icons may not be used in business cards and other stationery materials.
You are welcome to use the SDGs branding for informational purposes or to highlight your efforts to support for the SDGs in your corporate communications or website, subject to the SDG Branding Guidelines, but not associated with a specific product or service.Thank you and best regards,
SDG Permissions
United Nations
Department of Global Communications
405 East 42nd Street | S-09FW001 | New York, NY 10017 | E: sdgpermissions@un.org
というわけで、名刺以外での使用許可を頂きました。
意外とカンタンだったので、SDGs関係の事業をなさっている方は是非、申請してみてはいかがでしょうか?
また、今回の申請文作成にあたり、プロの方 (@Reiko_Yoneyama) にもアドバイスを頂きました。
わたしが実際に頂いたアドバイスもご紹介します!
SDGs申請アドバイス①「簡潔に」
ガイドラインに「簡潔に説明してください」とあるので、「簡潔に」書くことを意識しましょう。
例えば、別項目とせず、項目内に「ロゴを使った商品制作は行いません」と入れると良いでしょう。
他にも、「展開するビジネス」を別項目とせず、後項目と合併して「展開ビジネスとSGDsとの整合性」としてまとめるのが良いでしょう。
SDGs申請アドバイス②「説明リンクをつけよう」
国連の視点からすると、日本で月収10万円以下がどの程度の生活レベルに値するのか、調べないと分かりません。「厚生労働省の平成27年の相対的貧困を決めるラインは122万円」を参考に、一言、この金額がこの国で、貧困ラインに触れていることを説明すると良いでしょう。
(参考:https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/seigo_g_171005.pdf
https://gooddo.jp/magazine/poverty/asia_poverty/japan_poverty/4455/)
SDGs申請アドバイス③「日本的な挨拶文は不要」
国連に送るのだから、と前置となる挨拶文を入れたり、説明を多くするのは日本的には「丁寧な文章」となりますが、英語だと「伝わりにくい、長ったらしい文章」と捉えられてしまう恐れがあります。
聞かれたことだけを書いて、余計な挨拶や過剰な説明は思い切って省きましょう。
とのことでした!
参考になれば嬉しいです。
そして、ナレーション・オーディオブック制作の際には是非、みみよみにご相談ください、お待ちしております!
弊社イチオシの所属ナレーター、北村直也のボイスサンプルはこちらからどうぞ!
